雑談部屋
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現代バスケではヘルプポジションを再定義する必要があります

Coach KAZU
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「ヘルプポジションはDFの基本だ。」 このフレーズ、バスケットボールに携わる多くの人にとって馴染み深いものでしょう。

育成年代では、守備の鉄則として何度も何度も教え込まれるものです。 でも、少し立ち止まって考えてみませんか?

現代バスケットボールでは、この鉄則がむしろリスクになる場面が増えてきているんです。 「ヘルプに行くべきところで行かない」という選択が、試合を左右する局面もある。

なぜそんなことが起きているのか。 それは、バスケットボールそのものが進化し、求められる守備の質が変化しているからです。

この変化に対応できる選手や指導者だけが、次のステージへ進むことができる。 だからこそ、今改めてヘルプポジションを再定義し、育成現場に新たな視点を取り入れる必要があるんです。


なぜヘルプポジションがリスクになったのか?

昔ながらのバスケットボールでは、ヘルプポジションは鉄壁の守備を支える柱でした。 ドライブを止めるため、ゴール下を固めるため、そしてチーム全体の連携を深めるために不可欠な戦術だったんです。

しかし、現代バスケットボールでは攻撃のスピードと精度が格段に向上。 ドライブ▶キックアウト▶エクストラパス▶外角シュート…。 この連携が驚くほど効率的に行われるようになりました。

結果、自分のマークマンを離してヘルプに行くことが、即座にリスクへと繋がる状況が増えています。 特にトップレベルの試合では、3ポイントシュートを高確率で決めてくるチームがほとんど。

「ヘルプが必ずチームを救う」という神話は、もはや通用しなくなっているわけです。

ノーヘルプDFの進化:全集中の1on1

では、そんな状況でどのような守備が求められるのか。 それが”ノーヘルプ”のディフェンス。

簡単に言うと、「自分のマークマンに全集中する守備」です。

クロスゲームや試合終盤の緊迫した場面では特に、このアプローチが重要になってきています。

持たせない。打たせない。破らせない。 この1on1DFの原則を徹底することで、チーム全体の守備力が底上げされるのです。

「でも、それじゃ連携が薄れるんじゃないの?」と思うかもしれません。 もちろん、全ての場面でノーヘルプが正解というわけではありません。

ただし、今の時代は「ヘルプに行く場面」「行かない場面」を瞬時に判断できる選手が求められているんです。 そのためには、個々の守備力—1on1のスキルが欠かせません。

育成の新たな課題:柔軟な守備力を持つ選手を育てる

では、育成年代ではどう指導すればいいのでしょうか。

従来のように、ヘルプポジションを守備の基本として教えることは間違いではありません。 ただ、それだけでは現代のバスケットボールには対応しきれません。

「ヘルプを使う守備」と「使わない守備」――。 どちらも遂行できる選手を育てることが必要なんです。

そのためには、状況に応じた判断力を養う練習が重要です。

例えば、1on1の場面を想定した練習を増やすだけでなく、 「ヘルプに行くべき場面」「あえて行かない場面」を選手たちに自分で考えさせる。

「ここでは行く」「ここでは行かない」という選択肢を持つトレーニングが、これからの指導に必要不可欠なんです。

指導者としての新たな責任

指導者がまず取り組むべきは、「固定観念を捨てること」。

ヘルプポジションが基本であることに間違いはありません。 でも、状況によってはリスクにもなり得る。

だからこそ、選手たちに柔軟な思考と判断力を与える指導が求められています。

具体的には、1on1DFのスキルを徹底的に磨かせる練習を設計する。 その上で、ヘルプを選択するか否かを選手自身が判断できる環境を作る。

選手たちには「自由に任せる」だけではなく、 「何を基準に判断するべきか」を教えることが必要です。

その結果、選手たちは守備に対する自信を深め、チーム全体が安定感を持つようになるでしょう。

結論

ヘルプポジションは、育成年代で教えるべき基本であることに変わりはありません。

しかし、現代バスケットボールでは、ヘルプがリスクになる場面も多くなっています。

これからの指導者に求められるのは、 「ヘルプを使う守備」と「使わない守備」の両方を選手に教え、判断力を養わせること。

そのためには、1on1DFの徹底とともに、選手たちに柔軟な思考を促す指導が必要です。

結局、守備の基本に立ち返ると「持たせない・打たせない・破らせない」という1on1の原則。 これが、チームDFにもつながる本質なんですよね。

追伸

守備について考えるとき、つい「正解」を求めがちですよね。 でも、現代のバスケットボールでは、その正解が試合や状況によって変わることが多いんです。

例えば、日常生活でも似たような場面ってありませんか? 時間がないときにはショートカットを使うけど、慎重にやらなきゃいけないときには遠回りをする。 どちらが正しいかではなく、その場で最善を選ぶ柔軟性が大事ですよね。

守備もそれと同じです。

選手たちには「どんな状況でもベストな判断を下す力」を養ってほしい。 それは練習や試合だけでなく、彼らの人生そのものを豊かにしていく力になるはずです。

指導者として、選手たちの「今」をしっかり見て、未来につながる選択肢を示してあげてください。 彼らが判断に迷ったとき、そっと背中を押す存在でいてほしいんです。

守備の指導は、技術だけでなく、信頼を築く時間でもあります。 試合後、「あの場面でヘルプに行かなくて正解だったよ」と伝えるだけで、選手たちは自信を持つ。 逆に、「なぜヘルプに行ったのか」を問いかけることで、考えるきっかけも生まれます。

こうしたコミュニケーションを重ねていけば、選手たちは自然と自分の判断を信じられるようになる。 その自信こそが、試合中の大胆なプレーや冷静な判断に結びついていくんです。

ABOUT ME
Coach KAZU
Coach KAZU
バスケの戦術を考える人
チームを強くするバスケ戦術を日々研究しています。中学・高校・社会人リーグでプレー。引退後にバスケコーチのライセンスを取得。現在は静岡で中高生を指導しています。SNS総フォロワー数3.6万人。戦術に関する本も執筆。
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