雑談部屋
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退屈と向き合う力こそが技術を伸ばす

Coach KAZU
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「退屈でない練習はすぐ飽きるし、飽きない練習はたいてい退屈なもの。」

こう聞いて、どう感じますか? 「退屈なんて意味がない」「練習は楽しくやらなきゃ」と思うかもしれません。 でもちょっと待ってください。

派手で楽しい練習が、試合のプレッシャー下であなたを支えてくれるでしょうか?

本当に必要な技術や力は、地味で繰り返しの多い練習から生まれます。 その「退屈な時間」が、あなたを磨き、進化させるんです。


派手な練習の魅力とその影

その場では満足感をくれる「派手な練習」

正直に言います。 派手で楽しい練習には魅力があります。 音楽に合わせたドリル、チーム全員が盛り上がるリレー形式の練習。 その場では達成感があるし、心がウキウキしますよね。

たとえば、誰もが憧れるドリブルスキルを習得するトレーニング。 成功したときの「やった!」という気持ちは最高です。

でも、試合で使えますか?

問題は、その楽しさが実戦でどれだけ役に立つか。 試合では、状況は常に変化します。 楽しいだけの練習で得た「一瞬のスキル」は、 その変化に対応できないことが多いんです。

技術を定着させるためには、楽しさ以上に「反復」と「習慣化」が必要です。 派手な練習ではどうしても、この要素が不足しがちなんですよね。

そして退屈から逃げた先に待っているのは飽き。

退屈を避けて、常に新しいものや刺激的なことばかりを追い求めると、 最初は楽しいかもしれません。 でも、その楽しさには限界があり、次第に刺激に慣れ、 もっと強い刺激を求め続ける悪循環に陥ります。

こうした飽きの先には、何も残りません。 技術の蓄積もなく、心の成長も得られないのです。

地味な練習が持つ本当の価値

無意識で動ける力を作る「反復」

退屈な練習ほど、体に染み込みます。

同じ動作を何度も何度も繰り返す。 この過程で技術が自分の一部となり、 無意識のうちに動けるようになります。

たとえば、シュートフォームを毎日修正しながら反復する選手。 試合中、どんな状況でも正確なフォームを維持できるのは、 日々の地味な練習の賜物です。

技術だけじゃない。心も鍛える

退屈な練習には、もう一つの大きな力があります。 それは「心を鍛える力」です。

地味で結果が見えにくい練習を続ける中で、選手は忍耐力や集中力を養います。 逆境でも諦めない粘り強さ。 これこそが試合で真価を発揮する土台となります。

退屈を受け入れ、楽しさを見出す工夫

退屈を学びに変える3つの秘訣

退屈な練習を「価値ある時間」に変える方法があります。

  1. 練習の目的を明確にする
    「この練習が試合でどう役立つのか」を理解することで、 意味のある時間に変わります。
  2. 小さな挑戦を設ける
    例えば、「シュート成功率を1%ずつ上げていく」といった目標を作る。 こうすることで、日々の練習が楽しくなる。
  3. 進歩を可視化する
    「今日は昨日より正確だった」「スピードが上がった」 こうしたフィードバックが、選手の成長を感じさせます。


指導者が与えられる最大のギフト

選手が退屈な練習を続けられるかどうかは、 指導者の関わり方にかかっています。

指導者は、練習の意味や成果を伝えることが大事。そうすることで選手の「やる気の火」を絶やさない役割を果たします。

「昨日より成長している」 「この練習が君の未来を作る」 こういった言葉が、選手にとって何よりの励みなんですね。


追伸

私が数年前に指導していたある選手。 その選手は、地味な練習がどうしても好きになれない選手でした。

「もっと楽しい練習がしたい」と言わんばかりに、毎日の基礎練習を退屈そうにやっていたのを今でも覚えています。

でも毎日繰り返していると、少しずつですが変化が起きてきたんです。

最初は「退屈だ」とぼやいていた彼も、次第に自分の成長を実感し始めました。 「昨日よりドリブルが安定している」 「シュートが確実に決まるようになった」 そんな小さな変化が彼の自信になり、 試合では想像以上のパフォーマンスを発揮するまでに成長。

そのとき彼が言った言葉が、今でも心に残っています。

「あの地味な基礎練習がなかったら、おれはずっと下手なままだったかもしれない」

退屈は、単なる退屈ではありません。 その先には、新しい自分との出会いがあります。

日常生活でも同じです。 繰り返しの作業やルーチンの中にも、 あなたを成長させるヒントが隠れている。だから退屈を恐れず、 その中に隠れた可能性を見つけてください。

そして、いつか「あの退屈が私を成長させてくれた」と言ってやりましょう。

ABOUT ME
Coach KAZU
Coach KAZU
バスケの戦術を考える人
チームを強くするバスケ戦術を日々研究しています。中学・高校・社会人リーグでプレー。引退後にバスケコーチのライセンスを取得。現在は静岡で中高生を指導しています。SNS総フォロワー数3.6万人。戦術に関する本も執筆。
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