速攻
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「空いていない人を見る」:2:1の核心原則

Coach KAZU
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速攻の2対1でパスがカットされる場面を、私は何度も見てきました。「空いている味方にパス」と教えていた時期は、たいていそうなっていたのです。あるとき気づいたのは、見るべきは空いている味方ではなく、ディフェンスの重心だった、ということでした。

練習ではできるのに試合で2対1を決め切れない。ご自身のチームでも起きていませんか。

選手はパスを出す。でもカットされた。ターンオーバー。

「なんで出したんだ」。でも、さっき「パス」と言ったのはこちら側です。

別の場面。同じ2対1。今度は選手がドリブルで突っ込む。ディフェンスに止められる。「なんでパスしないんだ」。

選手は迷っています。パスかドライブか。でもその迷い方が、そもそも間違っている。

練習ではできるのに試合で2対1を決め切れない、あれです。ハーフタイムで指示しても3秒で崩れる。「なんでパスしないんだ」と言っても、次の場面で同じことが起きる。選手が悪いのではなく、判断の連鎖の起点が抜けていただけです。


2対1を外すのは、練習量や根性や才能ではありません。教えていたのは2対1の「形」「手順」でした。いつ仕掛け、いつ出し、いつ自分で行くかの判断・読み・優先順位を、教えていませんでした。だから決め切れなかったのです。

以前は、2対1は数的優位だから簡単だと思っていましたが、現場を見続けて分かったのは、原則と読みとタイミングが同時に揃わないと、選手は判断を出せないということでした。本や動画でパターンを覚えただけでは揃わない。それが、試合で崩れる本当の理由です。

この記事を読み終えたら、いつ仕掛け、いつ出すかを自分で判断できるようになります。選手が自分で判断して2対1を決め切り、後半も崩れない状態へ。ベンチの声が通るチームになります。

2対1の判断は、「空いている味方を探す」ことではありません。2対1は形ではなく、判断と構造の問題です。


はじめに

「空いている人にパス」は正しくない


2対1の場面で、コーチがよく言う言葉があります。

「空いている人にパスしろ」。

間違いではありません。でも、これでは選手は判断できません。

なぜか。2対1の場面では、味方もディフェンスも動いている。「空いている」かどうかは、一瞬で変わる。味方を見て「空いている」と思った瞬間にはもうディフェンスが寄っている。味方を見てから判断していたら、遅い。

もう一つの問題。味方を見てパスを出すと、パスの方向が読まれる。視線がパスの先を向いているから。ディフェンスはボールマンの目を見ている。味方を見た瞬間に、パスコースに入られる。

「空いている人を見る」では、2対1は攻略できません。


思い込みの点検

見るべきは「空いていない人」:ディフェンダーを見る


2対1の核心原則。それは「空いていない人を見る」。つまり、ディフェンダーを見る。防御者の防御の仕方に対応して攻め方を変える。

味方ではなく、相手を見る。これだけで、判断の精度が劇的に変わります。

理由はシンプルです。2対1には、ディフェンダーは1人しかいない。その1人の動きを見れば、何をすべきかが決まる。

ディフェンダーがボールマンに来たら、パス。

ディフェンダーがボールマンを止めに来るということは、味方がフリーになるということ。だからパス。味方を見る必要はない。ディフェンダーが来た時点で、味方は空いている。

ディフェンダーがパスレーンに入ったら、ドライブ。

ディフェンダーがパスを警戒してパスレーンに入るということは、ボールマンの前が空くということ。だからドリブルで抜く。味方を見る必要はない。ディフェンダーの位置が答えを教えてくれる。

ディフェンダーがどちらにも来ない(迷っている)なら、そのままドライブ。

迷いはディフェンスにとって致命的。ボールマンがドリブルでゴールに向かえば、ディフェンダーは必ずどちらかに動く。動いた方向の逆が正解。


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図1:2:1の核心原則:DFの3つの反応パターンと対処


この原則の美しさは、判断が後出しになること。先に決めなくていい。ディフェンダーが動くのを見てから、その逆を選ぶ。まるでじゃんけんの後出しのような感覚です。だから成功率が高い。


思い込みの点検

「ディフェンスを見ろ」がチームに浸透しない理由


この原則自体は、知っているコーチも多いです。でも練習で徹底されていないチームがほとんど。

理由は2つあります。

1つ目。練習でディフェンスをつけないから。

2対1の練習を、ディフェンスなしでやっているチームが多い。コーンを置いて「右にパス」「左にパス」とパターンを決める。でもそれは「空いている人にパス」を練習しているだけで、「ディフェンスの動きを見て判断する」練習にはなっていません。

2つ目。「パスかドライブか」をコーチが先に決めてしまうから。

「2対1はパスだ」と教えるコーチがいる。「数的有利だからパスしろ」。でも、ディフェンダーがパスレーンに入っているのにパスを出せば、カットされる。正解は場面によって変わる。その場面を読む力を育てないと、試合では使えない。

選手に必要なのは、「パスすべき場面」を暗記することではなく、「今、ディフェンスはどう動いているか」を見る習慣。この習慣がつけば、2対1だけでなく、3対2でも5対5でも、判断の質が上がります。

判断が上流にある。その上流が抜けていたから、どれだけ「形」を正しく教えても、試合で崩れ続けていました。だから止まっていたのか。そう気づいたとき、見えていなかった連鎖の起点が見えてきます。


思い込みの点検

ボールの進め方:2対1のアプローチ


2対1でフロントコートに入ったとき、ボールマンはどこを走るか。

答えはミドルレーン。真ん中を走る。

理由は単純です。真ん中を走れば、左右どちらにもパスが出せる。ミドルのマンの視野内に味方が入ることで判断がより正しく容易になる。サイドを走ってしまうと、逆サイドへのパスが遠くなり、選択肢が狭まる。

味方はサイドレーンを走る。ボールマンがミドル、味方がサイド。この配置が2対1の基本形です。

そしてもう一つ。ボールを速い人のスピードで前へ進める。ドリブルでもパスでもいい。大事なのは、ディフェンダーに考える時間を与えないこと。ゆっくり運べば運ぶほど、ディフェンダーは味方の戻りを待てる。時間は攻撃側の敵です。ファスト・ブレークはバスケットから15フィート内外の高い確率のシュート位置から「イージーショット」のチャンスを作りだすことがねらい。そのゾーンまで速く持ち込む。


diagram

図2:2:1の基本配置:ボールマンはミドル、味方はサイド



ここまでで、2対1の核心が「味方を見る」ではなく「ディフェンダーを見る」ことだと分かったと思います。

でも「分かる」と「できる」はまた別の話。ディフェンダーの動きを見て判断するには、視線の使い方、ボールの持ち方、走るスピードのコントロールなど、いくつかの技術的な裏付けが必要です。そして何より、練習のデザインが大切。ディフェンスの動きを読む力は、反復の中でしか育ちません。

ここまでで輪郭は見えました。でも、「分かる」と「自分のチームで使える」の間には、まだ距離があります。その距離を埋めるのが有料パートの仕事です。


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図3:ここから先の扱う4つのテーマ


言い切りすぎかもしれません。でも、県大会まで届かなかった私がコーチ歴5年で見てきた限り、2対1を「形」として教えてきたチームは、試合でほぼ同じ場所で詰まっていました。判断の優先順位を持っていないのです。ただし、カテゴリーや学年によって、どの場面を優先的に扱うかは変わります。一概には言えません。


ここまでで「分かる」と「ご自身のチームで使える」の間にある距離が、簡単に言えることではないと分かったと思います。DF3パターンへの具体的な対処、パスの出しどころの優先順位、ドライブからのフィニッシュ選択、よくある失敗修正まで、有料パートで解説します。


ここから先が有料パートです↓↓

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ABOUT ME
Coach KAZU
Coach KAZU
バスケの戦術を考える人
チームを強くするバスケ戦術を日々研究しています。中学・高校・社会人リーグでプレー。引退後にバスケコーチのライセンスを取得。現在は静岡で中高生を指導しています。SNS総フォロワー数3.6万人。戦術に関する本も執筆。
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