個人ディフェンス
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ドリブラー防御:腰を見る・正面で守る・ベースラインを切る

Coach KAZU
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練習ではできるのに、試合の1対1でフェイクに飛びついて止まれない。あれです。

クロスオーバー。選手が一瞬、右に揺れる。その瞬間に左へ抜かれる。次のポゼッション。今度はヘジテーション。ドリブラーが一瞬止まったように見えた。選手が足を止める。その隙に加速されて、またペイントに侵入される。

ベンチから「フェイクに引っかかるな」と声をかける。でも選手はまた引っかかる。何度言っても引っかかる。何年も同じ声かけを繰り返していても、変わらず同じやられ方を繰り返している。

以前は「反応が遅いから抜かれる」と思っていましたが、現場を見続けて分かったのは、そうではないということでした。

抜かれるのは、反応速度や運動神経の問題ではありません。見る場所を教わっていなかった問題でした。



はじめに

なぜフェイクに引っかかるのか:「見るもの」を変える


ドリブラーのフェイクは、手・肩・頭・目線で作られます。クロスオーバーの前に肩を入れる。ヘジテーションで頭を下げる。目線をリングに向けてシュートフェイクをする。

これらは全て、体の上半身で起きていること。

そして多くのディフェンダーは、上半身を見ている。ボールを見ている。相手の目を見ている。肩の動きに反応している。だから引っかかる。

教えていたのは「反応を速くしろ」という声かけ。何を見るかという判断の起点を教えていなかったのです。だから抜かれていた。視点→判断→反応の起点が抜けていた、ということです。

ドリブラー防御は、形ではなく判断の構造です。上半身を見ている限り、どれだけ集中しても、どれだけ気合を入れても、フェイクには引っかかり続ける。見る場所を変えるだけで、反応の速さに頼らず止まれるようになります。

腰を見る。

ドリブラーの腰(ヒップ)は嘘をつきません。肩は左にフェイクして右に行ける。頭は下げてから加速できる。ボールは左手から右手に移せる。でも腰は、実際に進む方向にしか動かない。

腰が右に動いたら、ドリブラーは右に行く。腰が左に動いたら、左に行く。腰がまだ正面を向いているなら、まだ動いていない。

ドリブラーに対しては「常にドリブラーの腰を見てプレッシャーをかけ続ける」。スライドステップで対応しながら、見るべきは腰。これがドリブラー防御の第一原則です。


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図1:上半身は嘘をつける。腰は嘘をつけない


練習で試してみてください。1対1のドリブル突破練習で、ディフェンダーに「相手の腰だけを見ろ」と指示する。最初は違和感がある。ボールが見えないから不安になる。でも2〜3分で慣れる。そして明らかにフェイクへの反応が変わる。

「フェイクに引っかかるな」という精神論ではなく、「見る場所を変えろ」という技術指導。これだけで、ドリブラー防御は一段階上がります。



思い込みの点検

正面で守る:「追いかける」と抜かれる構造的な理由


腰を見てフェイクに引っかからなくなった。それでも抜かれることがあります。

原因は、ドリブラーの進行方向の正面に立てていないこと。

ドリブラーが右に動き出した。ディフェンダーも右に動く。でも半歩遅れている。横に並走するような形になる。ドリブラーからすると、左側が空いている。そこにクロスオーバーで切り返せば、抜ける。

ここに、ディフェンスの構造的な不利があります。

ディフェンダーのスライドステップは、ドリブラーのランニングステップより遅い。

これは気合いの問題ではありません。物理的な構造の問題です。スライドステップは低い姿勢で横に移動する。ランニングステップは前傾姿勢で前に走る。走る方が速いのは当然です。

つまり、ドリブラーが自由に方向を選べる状況では、ディフェンダーは構造的に不利。追いかけっこになったら、負ける。

だから「追いかけない」。先回りする

ドリブラーが動き出す前に、進行方向の正面に体を置く。ドリブラーの腰の動きを見て、動き出した瞬間にその方向の正面にスライドする。半歩でいい。正面さえ塞いでいれば、ドリブラーは進めない。


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図2:追いかけると半歩遅れて抜かれる。正面を塞げば進路を断てる


もし正面から半歩ずれて抜かれた場合。追いかけてはいけません。ドリブラーの行く先を読んで、ショートカットでドライブコースを塞ぐ。これがリカバリーの原則です。

追いかけると、ドリブラーの背中を見る形になる。そこからは何もできない。でもドライブコースを先読みしてショートカットすれば、再び正面に入れる。



思い込みの点検

ベースラインを切る:方向を限定して守る


スライドステップがランニングステップより遅い。この構造的な不利を克服するには、もう一つの手段があります。

ドリブラーが行ける方向を、最初から限定する。

ドリブラーが左右どちらにも行ける状態は、ディフェンスにとって最悪です。一方を塞いでおけば、行き先が分かる。先回りできます。

これがディレクションの考え方です。基本原則は、ミドル方向を塞ぎ、ベースラインまたはサイドラインに追いやること。

ミドルを塞ぐ理由は、ペイントエリアにヘルプが待っているからです。ミドルドライブはヘルプと挟み撃ちにできる。チームディフェンスが機能しやすい方向です。ベースラインを割られたら、味方もカバーしきれません。


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図3:ベースラインを塞ぎミドルへ追い込む。ヘルプが機能する方向に誘導する


ウイングではベースライン側の足を前に出す。ドリブラーはミドル方向にしか行けない状況を作ります。



核心

3つの原則は連動する


腰を見る。正面で守る。ベースラインを切る。この3つはバラバラのテクニックではありません。

腰を見ているから、フェイクに引っかからず正面を維持できる。正面を維持しているから、ベースラインを切る角度が保てる。ベースラインを切っているから、ドリブラーの進行方向が読めて、腰の動きを見る余裕が生まれる。

3つが循環しています。

逆に、1つが崩れると連鎖的に全部崩れる。フェイクに引っかかって正面からずれる。ずれたからベースラインが開く。ベースラインドライブを許してヘルプが崩壊する。たった1つの「引っかかり」が、チーム全体のディフェンスを破壊する。

見る場所と間合いと角度、この3つが同時に揃わないと、ドリブラーは止められません。1つだけ直しても変わらないのは、そのためです。


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図4:3原則は循環している。1つの崩壊がチーム全体を破壊する


だから3つは順番に、そして最終的に統合して落とし込む必要があります。その具体的な手順は有料パートで扱います。



思い込みの点検

抜かれたときにどうするか:追いかけない


抜かれることはある。問題はその後の一歩です。追いかけるのではなく、先回りする。その具体的なコース取りは有料パートで整理します。


言い切りすぎかもしれません。でも県大会まで届かなかった私が原典を読み直して気づいたのは、選手がフェイクに引っかかっていたのは、集中力の問題でも気合の問題でもなかった、ということです。

ただし、カテゴリーや学年によって優先順位は変わります。一概には言えません。

この記事を読み終えたら、明日の練習で何を見るよう伝えるべきか、迷わず選べるようになります。

選手が自分で間合いを判断して、フェイクに動かず止まれるようになる。後半も足が止まらず守れる。その状態に近づくための手順を、では、どこから直すか。

簡単に言えることではないんです。それは有料パートで具体的に組み立てます。


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図6:個人の3原則からチーム連動まで段階的に落とし込む


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ここから先が有料パートです↓↓

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Coach KAZU
Coach KAZU
バスケの戦術を考える人
チームを強くするバスケ戦術を日々研究しています。中学・高校・社会人リーグでプレー。引退後にバスケコーチのライセンスを取得。現在は静岡で中高生を指導しています。SNS総フォロワー数3.6万人。戦術に関する本も執筆。
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